買い足したほどだ

このコンロの上に当時、売り出した〝山でトーストが焼ける〟と言う触れ込みのトースターと言う名の器具を購入したシエルがその買ったばかりの器具を見せびらかそうと持っていったのが事の始まり。
以来、10年ほどでガスコンロのツマミの部分は焼鳥の脂とその熱で溶けてしまい、ノズルを異常な力で回さないとならないほど使った。
そりゃそうだ、一晩中最弱火にして焼鳥やイカを焼いて皆に供したのだから。
同時にトースターも錆び付いて再起不能になって同じものを態々、買い足したほどだ。

焼鳥の場合、必ず脂が滴るのと煙が出ることから我々はどんなに寒くても膝を抱えて外で焼鳥を焼いた。
何百回、Jと山行を共にしたか知らないが殆どは山ではなく伊豆の岩場だったからそんなに寒くなかったのだ。

何であんなに1年中、焼鳥を焼いて食べたのか知らない。
1度は国道のカーブの脇で始めたものだから夜中に何回もクラクションを鳴らされた。

もう殆ど役に立たなくなったそのコンロは処分されずに未だに山道具の1番上にあって出番を待っている。